まとめ-普通の管理委託契約とサブリースの違い-
2017年に起きたかぼちゃの馬車事件で一気にメジャーになった「サブリース」ですが「家賃は保証してくれるんでしょ?」とか「大家は何もしなくて良いんでしょ?」など、メリットしか理解していないで契約すると超危険です。
何でも美味しい話には裏があるもので、サブリースの特徴や注意点をまとめました。
両者の要点
①管理委託方式
こちらが普通の管理委託契約です。
大家と管理会社が契約を結び管理を委託します。
委託料は賃料の5%前後と安価ですが、管理会社の業務はあくまで「大家さんからの委託」になり、入居者からクレームがあったり、物件でトラブルが起きたり、実害が出た場合は大家が全て負担しなくてはなりません。
最終的なリスクや費用は大家が持つことになる訳ですね。
②サブリース
サブリースは管理会社が大家から直接物件を一括借り上げして、それを貸します。
つまり転貸です。
費用負担や入居者トラブルなどは貸主であるサブリース業者が負担します。
また、サブリース業者から大家へは毎月一定の家賃が振り込まれるので大家の負担は軽減されているのです。
しかし、その分管理料は割高です。
通常の管理委託契約が5%前後なのに対して、サブリースだと10~15%の管理料がかかります。
サブリースで誤解されがちなポイント
「毎月の管理費が多いけど、手間もかからずリスクもなさそう」という人が多いですが、誤解されがちなポイントがあります。
①礼金・敷金・更新料・・全てサブリース業者のもの
入居者からもらう敷金・礼金・更新料はすべてサブリース業者のものになります。
あくまでオーナーはサブリース業者なので、取られても文句は言えません。
②契約直後から家賃保証がつく訳ではない
サブリースの代名詞ともいえる「家賃保証」ですが、サブリース契約を交わしてすぐに保証されるケースはレアです。
一般的には1~2カ月の免責期間があり、その間は入居者がいてもいなくても大家へ家賃は払わないのです。
なのでサブリース物件は実質10~11カ月勝負になります。
③共用部の水道光熱費やリフォームは大家負担
なぜかこれも慣例です。
一括丸ごと借りてるのだから物件運営にかかる経費もサブリース業者が負担すると思われがちですが、実は大家が負担することが多いのです。
共用部の経費だけではなく、原状回復費用なども大家が負担します。
特約などで別途取り決めがされていない場合は費用だけ収支計画にばっちり盛り込む必要があります。
サブリース契約をするときの注意点
なので当然ですが、サブリースのデメリットも踏まえて契約しないと、後々とんでもない目に遭うかもしれません。
あとで解約したくなっても、大家とサブリース業者の間にも「借地借家法」が適用され、借主(サブリース業者)は手厚く保護されます。
契約前に契約書を熟読し、話を詰めておかないと駄目なのです。
①入居者との賃貸借契約
サブリース契約が終了した時、入居者との賃貸借契約がサブリース業者から大家へ引き継がれるようになっているかを確認します。
②家賃保証の期間
よく聞くのが「30年の家賃保証」ですが、下に小さく条文が盛り込まれ、要は「絶対ではないよ」的なことを言っている訳です。
よく見ると、このような条文が盛り込まれていて、2年毎に家賃の減額請求をされる可能性があります。
家賃で揉めた時はサブリース業者は裁判で決着がつくまでは「妥当と思う」家賃を払えば良い事になるので、充分注意しましょう。
①募集家賃は近隣相場と比べて適正か?
②サブリース契約を定期借家契約で結ぶことは可能か?
③家賃の減額幅を特約で盛り込めるか?
個人的にはサブリース契約なんてする必要もないと思っていますが、したい場合はこの3つを確認してから契約すると良いと思います。