買付証明を入れるタイミングと注意点
このブログを読んでくれている人ならご承知だと思いますが、「買付証明書」とは不動産を購入する際、不動産会社に送る「私はこの不動産を買います」という意思表示です。
よほど仲の良い業者じゃない限り、基本的にこの買付証明書を基に購入の意思はもちろん交渉の順番まで決まります。
よく聞く「買付一番手を確保した!」というのは、この買付証明書を一番手に出したということを指します。
なので良い物件を見つけたらいち早く入れる必要がありますね。
※買付証明書を判断するポイントはこちらの記事から
しかし、私も昔一度だけやらかしたのですが、良い物件だと思って急いで買付を出したものの、頭を冷やして考えてみると次々と「怪しい点」が出てきました。
当時は会社員で交渉のやり方も何もわからなかったので、ただただ相手の不動産会社に謝罪して買付を取り下げてもらいました。
そんなミスを犯さないための、今日は買付証明書を入れるタイミングや注意点をお伝えします。
買付を入れるタイミング
冒頭の話とかぶりますが、買付証明書はできるだけ早くFAXします。
こちらの記事でもある通り、エリアの相場は把握しているのが前提なので、図面の数字をみて問題なければすぐに提出します。
その後電話して「いま買付をFAXした中村ですが、届いていますか?あの物件売れ残っていますかね?」という感じで確認する感じです。
人気物件ほど足が速く一晩ももちません。
ポータルサイトに掲載したらすぐに売れるので、この時点では自分の知識と相場観を武器にとにかく早く買付を出して不動産会社に連絡するのが第一です。
余談になりますが、先日は仙台の物件(5,000万円)を中国在住の投資家が買っていきましたが、すぐに買付をだして数日後には決済しています。
つまり不動産投資の猛者は数千万円の物件くらいなら現地も物件もみないで、通販感覚で買っていくのです。
年収1,000万円のサラリーマンは世間的には高属性で、社会的な信用も抜群ですが、こういう感覚が一桁ズレている人たちが競合になるのが不動産投資です。
買付証明書には法的な拘束力はないものの・・
買付証明には法的な拘束力はないので、基本的に嫌になったら取り下げることができます。
しかし、不動産業界には「買付を入れたら買う」のが暗黙のルールとしてあり、破ればその不動産会社には今後相手にされなくなると思ってOKです。
以前ツイートした通り、買付を取り下げるなら相応の理由が必要です。
例えば現地調査をしてダメだったなら、現地調査で分かったNGな事実を基に取り下げるようにします。
たまに「利回りがもう少し欲しくて・・」とか「金利がやはり高く感じてきて・・」と言って買付を取り下げる人がいますが、図面に載っていたり、事前に分かることで買付を取り下げてはいけません。
ちなみに私が買付を入れたけど購入しなかったNG事例はざっとこんな感じです。
「基礎にヒビが入りまくっていた」
「謄本を取ると土地の権利関係が複雑だった」
「道路の前面の坂道がGoogleマップで見たより急だった」
これ以外でももちろん良いのですが、要は投資家らしい判断をすれば問題ありません。
単にビビっただけの判断と「○○な理由でこんなリスクが懸念されるので申し訳ありませんが、今回は購入を見送らせて頂きます」という明確かつ理解される判断は必ず不動産会社の担当者に伝わるはずです。
買付証明書のキャンセル期日
初心者が不安に思われる一つが「キャンセルの期日」ですが、これは契約書に記名・押印する前ならOKです。
通常だと、
①重要事項の説明
②売買契約書への記名・押印
③決済・権利移転
という順番を踏みますが、一応は重要事項を聞いたあとで内容に不備があるケースもあるので、契約前ならギリギリセーフです。
しかし、ネットで調べるとここまでは通説なのですが・・・とは言っても、実際は重要事項なんて自分で調べているべきで、重説はその確認に過ぎません。
悪質なイレギュラーを除いて事前に書面・実態とも確認しておくべきなので、契約のギリギリでキャンセルはこれまた不動産会社の信頼を失います。
買付証明書が無視されるケース
そして、たまに「買付証明書を送ったけど無視されたり、後回しにされる」こともあります。
不動産会社が両手取引を実現するために、自社で抱えているお客さんの買付を優先し、他には「もう買付が入りました」と適当にウソをいったり、無視して後日「あの物件はもう売れました」と契約を諦めさせるわけです。
他にも「現金ですぐに買うから優先して」という人がいて、そちらを優先することもあるようです。
買主側からすると、不合理な事実ですが現場の実態はこんな感じです。
私もサラリーマン時代から理解していましたし、いろいろな意見があると思いますが、現実がこうである以上文句を言っても始まりません。
そういう商習慣だと理解して、不動産会社と上手く付き合う人がなんだかんだで規模を拡大しているのは間違いないでしょう。