やっても意味ない節税とは?【節税は支払いの先延ばし】
しばらくブログの更新をサボってしまいました(汗)
ところで以前こんなツイートをしてまして、新築区分マンションの営業の話です。
このツイートには書いていませんが、「節税になる」というのも昔からある謡い文句で、利益が少なくなる分税金も減りますよ、ということを売りにしてきます。
不動産投資に限らず節税は支払いの先延ばしに過ぎず、いつか払うことになるので神経質になることはないと思っていますが、今日は特によく聞く「意味のない節税対策」を挙げました。
結局支払うことになる税金のために融資が不利になったり、気持ちが落ち着かなかったりする行為は避けた方が良いですよね。
※不動産投資にかかる経費・税金はこちらの記事から
①新築区分マンション投資
先程のツイートの補足です。
要は「新築区分マンションでマイナスを出してその分節税と所得税還付を狙いましょう」という事ですが、これは本当に無理があります。
所得税還付についてざっくり説明すると、
「給料等-源泉徴収された所得税額or予定納税した所得税額」
となり、多い時は納め過ぎた分の所得税が戻ってくるものです。
税額は合算で計算するため、不動産投資で利益どころか損失が出ている場合は、納め過ぎてる分の税金が還付されます。
ここで問題となるのが、「新築区分マンションを所有した時の利益」と還付額を比べてどちらが得か、ということですが、大半は(全てと言って良いです)還付金より、所有コストの方が高くつきます。
10万の還付金を貰う代わりに20万の手出しを発生させている、みたいな感じです。
ローンの支払い、管理費・修繕積立金が家賃収入を超えてしまい毎月赤字状態、その赤字を合算して節税しても節税額なんてタカが知れている・・・という状態で、これでは不動産投資なんてやらない方が良いですよね。
そして、こういう物件を買っている場合、債務超過に陥ってるケースが大半なので次の融資を受けられません。
そうなると、マイナス覚悟で手放すしかなくなってしまいます。
余談ですが、この手の営業は私が社会人2~3年目に受けたこともあり昔から存在しています。
買ってはいけない物件が時代を問わず売れてしまうのは、営業マンが優秀なのと無知な買主は一定数いることの裏返しだと思います。
②減価償却費
これも本当によく聞きます。
減価償却とは、建物や設備などの「資産」を法定耐用年数に基づいて経費処理して良い、といことです。
建物や物は年数に応じて損耗していくので、それを簿価からマイナスしてよろしい、ということですね。
例えば法定耐用年数を超えた木造アパートなら、最短5年で建物分の価格を償却できて、仮に1,000万円の建物なら毎年200万づつ経費扱いできるのです。
その分利益が圧縮され節税額も減ります。
外壁塗装や鉄部補強なども同じく償却可能で、これが不動産投資家で言われる「見えない魔法の経費」で取らないと損だよ、という認識で広まっている訳です。
しかし、見落としてはいけないのが売却税です。
売却税は簿価を基準に計算するので減価償却をしていくと、この簿価が減っていきます。
例えば築古物件の建物分1,000万円を5年で償却すると1年で200万円簿価が減っていくので5年後は簿価ゼロ円。
1500万円で売却できた場合、1,500-ゼロで1,500万円の利益が出た、という計算になる訳です。
つまり1,500万円に対して課税されます。
もし減価償却を一切していなかった場合、建物の簿価は1,000万円のままなので1,500万-1,000万で売却益は500万円、この500万円に対して課税されるのです。
減価償却していたら物件保有中の税金は安くなるものの、売却時にドカンと取られるので結局は遅かれ早かれ税金は払うことになる訳です。
「魔法の経費だから絶対使え」と言われますが、結局のところ税金からは逃れられないんですね。
利益の出ていない会社(個人も)に融資は出ない
ということで、今日は2つしかお伝えしていませんが不動産投資で融資を得るためには当然ですが「利益が出ている」ことが前提です。
目先の100万をケチって将来の1億の融資を逃すなんて事があったら本当にもったいないので、節税は神経質にならず適度に税理士先生に相談しながら進めるくらいで充分だと思います。
ご自分で減価償却費を細かく計算したり、償却年数を調べたりしている時間を本業や投資に割いた方が圧倒的に効率が良く気持ちも穏やかでいられるはずです。
個人でも法人でも