不動産投資を始めるエリアの選び方とトレードオフの話
以前、こちらの記事に不動産投資のエリア選定について考えを書きましたが本日は第2弾です。
前回は「投資してはいけない地域(都道府県や市など広い範囲で見れば)なんてごく少数」ということをお伝えしてました。
どこの地域でも満室経営は出来ますが、「とは言ってもどこが良いのかわからない」と言う人も多いはず。
私もそうでしたが、不動産投資を始めようとしても投資エリアをどこにすれば良いか分からなかったものです。
色々勉強したり、教えてもらったりするうちにエリア選定の基準が定まり、ひいては投資基準も決めることができました。
今日お伝えする内容は、エリアはもちろん物件の選定基準の参考にもなるはずです。
会社員時代の自分の基準
以前のツイートにもある通り、私の基準は単純でした。
「会社で働きつつ、休日だけで何とかなる物件を買う」というものです。
当時は宮城県仙台市に住んでおり、半径100キロ圏内というところでしょうか。
土日は不動産投資に関わる活動に終わっても良いので、高利回り(手のかかる)物件で手持ちの資金を増やす作戦を取ったのです。
大家としての武器
他の投資家との違いはこの辺だったと思います。
この「本業以外の時間は全て不動産投資に捧げます」というコミットの仕方です。
大半のサラリーマン投資家は本業でいっぱいいっぱいで、土日に仕事をする気力はありません。(涙)
年収1,000万円を超えるエリートサラリーマンは特に「本業への支障」を気にする傾向があります。
結果、大した儲からない物件を買い、下手したらサブリースにして収益性を更に低くするのです。
大したスキルもない自分が闘うためには、セルフリノベや客付け営業など人が嫌がる泥臭い仕事が絶対必要かつ、強いライバルがいない地方でボロアパート投資に徹することだったわけです。
資産性の高さ
ところで、都内の不動産を見ていると利回りの低いものが大半です。
こちらの記事によると区分マンションの平均は築年数がそれなりに新しいもので5.5%前後のようです。
エリアによっては新築でも8%を超える利回りがでる新築アパートもありますが、私の感覚的にもこのくらいだと思います。
地方に比べると、家賃収入は少なくなりますよね。
しかし、何といっても東京や大阪など大都市の不動産には地方にはない資産性の高さがあります。
この「堅さ」こそ都内のメリットであり、不動産王でもあるトランプ前大統領もアメリカの郊外から不動産投資を始めて、徐々に都心へとエリアを移しています。
数年間の家賃収入のみでは大した儲からなくとも、将来の売却を含めるとトータルで大きく儲かるのでしょう。
「人が集まる人気都市の土地」はそれ自体に価値があり、都内だとワンルームマンションでも月10万くらいは家賃が取れます。
(おまけに入居率も90%を超えており抜群の安定感があります。)
「固定費が安いから田舎おすすめ」とか「まだ東京で消耗しているの?」と言われてはいるものの、やはり東京はなんだかんだで人が集まり娯楽も充実しており刺激がある街なのです。
価格がすごく高いので、普通のサラリーマン投資家では手を出しにくく、富裕層が手堅さや土地値の上昇を見込んで買うケースが多いですね。
収益性の高さ
一方、北海道や青森などは土地の価値は低いものの、収益性は抜群に高いです。
利回り15%以上のアパートは楽待で検索すればすぐに出てきますし、私が不動産投資を始めたときからそうでした。
しかし、人はどんどん減っていき土地の価値は下落しているエリアが大半です。
人気が出にくく、買いにくいので安くしないと不動産が売れず、高利回り物件が続々と売りに出されます。
要は「危ないけどその分上手くいけば儲かるよ」ということで、東京とは正反対なわけですね。
東京は良くも悪くも堅実な感じです。
不動産投資は取捨選択
ここまでお読み頂くと「不動産投資のスタンス」の一つが分かると思います。
私の場合、会社員時代はお金がなくて東京の不動産なんて買いたくても買えなかった訳です。
買えるとしてもせいぜい区分マンションで、それだと規模拡大のスピードが遅くなります。
- 手持ちのお金が300万円くらいしかない
- できるだけ早く物件を買い増ししていきたい
- 泥臭いこともがんばれる
- 地主大家や他の投資家より勉強している
- しかし会社員をすぐにやめるのは怖い
この辺を足すと「地方の高利回り物件で1日で帰ってこれるエリア」という結論になったわけです。
結局、不動産投資は「何を捨てて何を拾いにいくのか?」を選ぶことが大切で、全てを求めても絶対うまくいきません。
おまけ-不動産投資に必要な相場感-
「地元で不動産投資をしたい」と言われることがあって、私も昔そう思っていました。
理由を聞くと「地元の方がなんとなく分かるから」ということです。
しかし、不動産投資に関わる「相場観」は地元に長く住んでいても分かるものではなく、リサーチして初めてわかることです。
・土地値の推移
・賃貸需要の強いエリア
・エリアの特徴(自然災害や特殊事例)
・広告費や運営コストの相場
・客付けに強い不動産会社
このあたりを掴む必要があるのですが、地元の人間でも調べない限り分からないはずです。
おまけに現地と居住地の両方に金融機関の支店がないと銀行融資が出ないので、自ずと投資エリアは限られます。
なので地元に拘る必要はまったくないのですが、強いていうなら著名な不動産投資家は「どこか1つ」に投資エリアを集中しているので真似した方が良いとは思います。
大口顧客として色々な優遇を受けることができるはずです。