銀行融資の正しい戦略
不動産投資を開始する為には、大半の人は金融機関から融資を受ける必要があると思います。
不動産投資において「融資を攻略できるか?」はすごく大切です。
ただ、巷の情報を信じ過ぎたり、逆に疑い過ぎて身動きが取れなくなっている人が多いのも事実。
融資の基礎から戦略をお伝えしますが、これらは一般的な例であり、やり方や組み合わせ、順番は無数にあります。
銀行融資は受けられる金融機関でしか受けられない
まず、多くの人は誤解していますが融資を受けられるかは、その時の資産背景(貯金など)や会社員であれば勤続年数、年収、役職などでほぼ決まります。
専業大家になれば賃貸業者扱いなので基準は変わってきますが、会社員が不動産投資をする場合、必ず「融資は受けるに相応しい人が受けられる」のです。
なので例えば「会社員を10年以上やってます。でも自己資金はほとんどありません」みたいな人は金融機関から見ると、お金を貸すには危険だと判断される(普通の人はそう判断するはずです)ので、一発逆転で融資を受けることはまず無理です。
この前提を理解すると次にやるべき行動が分かるはずです。
そう、いまの自分に融資してくれる金融機関を探し、そこでさっさと借りてしまうのです。
事業計画書をいくら練りこんでも、サラリーマン大家は前述した「画一的な基準」に乗っ取って審査されるので、はっきり言って徒労に終わります。
通るときは通るけど落ちる時は落ちる。
融資審査はそんなものです。
金融機関の一般的な基準一覧
なので、ご自分がどの金融機関なら可能性があるのか?を掴むのが先決です
ここではあくまで一般的な各金融機関の基準についてお伝えしますが、何事も例外があります。
例えば私は不動産投資本で紹介されている時は「共同担保必須」と必ず書かれていた三井住友トラストL&Fさんからは、1棟目で共担無しで融資が出ています。
他にも、不動産融資はまず出さないと評判だった地銀や信金さんから出た例もあるので、ある程度実績が出たら自ら例外を作りに動くのも大切です。
年収500万円以下
①三井住友L&F・セゾンファンデックス(ノンバンク)
・金利は4%台
・エリアは全国
※政令指定都市以外厳しそう
・返済期間は30年前後
・耐用年数切れにも長期融資が出る
・建蔽率・容積率オーバーも場合によってはOK
・再建築不可等や難易度高めのイレギュラー物件にも積極的
②日本政策金融公庫
・金利は1%台
・エリアは全国
・返済期間は基本的に10年
・弱者支援・起業の補助をする政府系機関
・数年前まで耐用年数切れも融資していたが今は消極的
③SBJ銀行
・金利は2~4%台
・エリアは全国
・韓国の金融機関の日本法人
・子供を支出として捉える
・返済期間は15~30年位
④信用金庫・信用組合
・「地域企業の発展」というお題目
・その為、その地域の居住者しか土台に乗らない
・地場不動産会社さんからの紹介が効率が良い印象
年収700万円以下
①スルガ銀行
・金利は4%台
・かぼちゃの馬車騒動で以前と比べ全然厳しい
・エリアは全国の主要都市
・基本的にRCにしか融資しない
②静岡銀行
・エリアは関東
・金利は3~5%
・返済期間は25~30年
・木造なら静銀と言われる
・耐用年数越えも積極的
③オリックス銀行
・金利は2%台
・エリアは首都圏を好む
・借入期間は15~25年
・対象物件が支店から1.5時間以内に行ける距離
・年収の10倍までの枠だが例外が多々確認されている
・第2抵当権でもOKな補助的ローンあり
例外は誰でも作れる可能性あり
ここまでは一般的な金融機関の特徴です。
ただ、繰り返しになりますが当てはまらない方でも融資が出たりします。
同じ金融機関でも支店や担当者によって結果が変わる事も往々にしてあり、タイミングに依る部分もあるので、とにかくたくさんの金融機関と接点を持つと良いでしょう。
不動産融資の戦略は本当に単純でプライドや願望を捨てて、「融資してくれる金融機関といち早く取引する」です。
年収1,000万のエリート程、メガバンクと取引したがったり金利の高いノンバンクを嫌がったりしますが、そもそも断られたら意味がなく、選ぶ権利はこちらには無い訳です。
モタついている人を横目にさくっと開始した人はその分早くゴールに辿りついています。