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不動産投資
2021.02.26

私道に接道している物件は買っても大丈夫?

不動産投資 私道

不動産投資のポータルサイトを見ていると「私道」に接している安い物件がたくさんあります。


安くなっているものの、マイナス要素だからこそ安くなるのは言うまでもありません。


問題はそのマイナス要素が「自分で解決できるか?」ということです。


「売主さんが入居募集をしっかりやっていない」とか「管理が行き届いておらず共用部が荒れている」などのマイナス要因なら解決は簡単ですが、私道は権利関係なのでそう簡単にもいきません。


昔、不動産投資を始めたころ、知り合いの不動産会社の社長さんは「私道だからダメ」と一刀両断にされていましたが、実際はどうなのか?解決する策をまとめました。

「私道」ってなに?

通常の道路は「公道」といって所有者は国や自治体になります。


それに対して私道は所有者が個人(法人)になります。


なので通行料をもらう(払う)などがある一方で、道路が地震でおかしくなった場合は修繕義務も発生するのです。


要は所有者の違いですが、路地裏の狭い道や舗装されていない砂利道などに多いですね。

「私道負担」ってなに?

私道負担とは大きく分けて2つあります。

①土地の一部が道路になっている

自分の家の一部が道路になっているケースです。敷地の一部が道路になってしまっていることで場合によっては負担があるよ、ということですね。

②土地が私道に接していて利用するのに金銭などの負担が発生する

漫画「正直不動産」で出てました。「通りたいなら金を払え」というパターンです。所有している側ならお金を貰えますが、逆の場合お金を払わなくてはなりません。


なので販売図面に「私道負担有」と記載されている場合、どちらに該当するのかをまず確認する必要があります。


多いパターンは例えば6軒の家があって、真ん中に道があり(皆が利用する)その道路が私道になっているケースです。


この場合、中央の私道は6軒の所有者の共有財産になり、道路を掘ったり造成したり、とにかく何かする場合は全員の合意を得なくてはなりません。


非常に面倒くさそうですね。(笑)

私道のリスクは?

まず多いのは先程のパターン①の「敷地の一部が私道になっている」ケースです。


この場合、道路はもちろん例えば地下に埋まっている下水管などがおかしくなった場合も修繕義務があります。


パターン②だと、「どうしも私道負担者の許可を得ないと通れない」道路づけなので、所有者へお金を支払ったりすることもあるそうなので、コストになります。


私道を持っている側なのか、私道を利用しなくてはいけない立場になるのかでリスクは変わってくるのですが、どちらにしてもやはりリスクはあるわけです。

確認すべき2つの許可

私道物件を買うときは2つの許可があるかを確認します。


1つ目は「通行許可の有無」です。


これは文字通り、その道を通る権利があるかどうかです。


ないと不動産として意味をなさなくなります。


たまに見かけるのは「人の歩行なら良いけど車両の出入りはダメ」というもので、そうなるとものすごく価値が下がるので要注意です。


2つ目は「掘削許可の有無」です。


なにかあったとき道路を掘って良いか?ですね。


下水管の工事や将来、建替えするときなんかに「掘削許可がないから掘れません」ということになりかねません。


しかも、なにをやるにしても複数共有者がいる場合、一人でも反対するとなにもできないのです。


絶対に協定かなにかを書面で取り交わしておくべきですし、買う場合は取り決めの証拠を確認した方が良いですね。

一番のリスクは再建築不可

とは言っても、上記のリスクはあるものの、権利関係や私道持ち分でモめている物件は私はほとんど見たことがありません。


大半の私道は「使えなければ全員が困るから」ということで穏便に使用されていると思います。
(「一人だけ通行許可を断っている」なんてあったらその人は変人なのであリスクです。)


道路や下水管などになにかあったときは治す義務がありますが、その分安く買えるのでやはり大きな問題とは思えません。


この辺はリスクをどう取るかによって変わってきますが、安い物件を建替えるつもりはないのでその物件で収支が回るなら購入対象にしています。


私としては、私道の一番のリスクというか確認項目は「本当に再建築できるか」が圧倒的に大きくて、建築基準穂に沿った道路付けかどうかの方が公道か私道かよりも大切だと思います。


狭い道が多いので、よくよく調べてみると再建築不可だったり、売りに出ている時点で売主さんが分かっていないこともあります。


役所に問い合わせて確実にここだけは購入前にはっきりさせた方が良いですね。

私道のリスクは解決できる?

ここまでが私道のリスクなのですが、「自分で解決できるか?」という意味ではできはするものの、なにか起きたときはかなり面倒そうです。


なにかあったときにコストがかかるはもちろん、意思決定が一人ではできないのは相当厄介でしょう。


ただ、私道物件でも安くて満室が見込めるなら、基本的には買う方向で検討すべきだと思います。


厄介な問題ではあるものの、「発生確率」が低いからです。


通行許可さえ最初に確認できれいれば、採掘許可なんて何十年に一度の建替え時しか登場しません。
(もしくは運悪く下水管が壊れたときです)


よほど変な人がいない限り、大半の人はOKしてくれるでしょう。


理想は協定書など書面があることですが、なかったとしても「満室が見込める立地と価格」なら全力で購入可能性を探るべきだと思います。

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