ヒアリング調査の方法②
以前こちらの記事でも書きましたが、不動産購入においてヒアリング調査はすごく大切です。
ヒアリングが上手いと良い情報を引き出せて、難あり物件もお宝不動産に変えられる可能性がありますが、反対に下手だと「やらない方がマシ」という事態になりかねません。
今回はヒアリング調査で質問が多い内容に答える形でまとめました。
以前の内容と併せて使いこなせれば、不動産会社からも一目置かれると思います。
ヒアリングは不動産会社が忙しくないタイミングで
まず、ヒアリングをするときは不動産会社が忙しくない曜日や時間にします。
基本的に土日は忙しいので(賃貸仲介をやっている場合は特に)、なるべく平日に、サラリーマンで平日に休みが取れない場合は土日でも17時以降など比較的落ち着くタイミングで実施します。
私の場合、最初は訪問ではなく電話してみるのですが、「この辺で大家をやっている中村です。アパートの購入を考えていて管理会社さんも探しているのですが・・・賃貸需要などについて少しお話をお伺いできますか?」という感じです。
ポイントは「管理会社の選定も兼ねている」ということをやんわりと伝えることです。
管理会社にしてみると管理を任せてくれるかもしれない、と見込み客の目で見られ協力的になります。
忙しいタイミングで「この辺の賃貸需要について~」なんてやってしまうと内心、絶対ウザがられます(涙)
ヒアリング調査前にやること
そしてヒアリング前に必ず自分で調べられるところを調べます。
(この後に余裕があれば必ず現地調査をするべきなのですが、ここでは割愛します)
- エリアごとの賃貸需要の強弱(ざっくりで良いです)
- 購入する物件と同じスペックの家賃相場
- 土地の形状、幹線道路や主要部との位置関係
この辺を抑えた上でヒアリングに入らないと「普通の大家」であり、下手すると「なにも調べていない適当なやつ」と思われかねません。
サラリーマンの新卒時代もこの辺は注意されて育ってきたので、「まずは自分でどうにかする」スタンスが備わっていたのはラッキーでした。
”見える賃貸経営”や賃貸のポータルサイトですぐにチェックできます。
質問は具体的に
以前こんなツイートをしました。
下調べをして、現地も見て、忙しいタイミングを外して会話にこぎつけたら、いよいよヒアリングなのですが、先ほどお伝えしたリサーチを怠るとどうしても抽象的な質問に終始しがちです。
逆に調べていると具体的な質問がどんどん湧いてきます。
「この辺のこれくらいのスペックの物件だと4万円前後で募集している部屋が多いようですが、同じ条件で決まると感じますか?」
「難しい場合、どのようなことをすれば満室になると思いますか?広告料ですか?それとも家賃?設備?」
「例えば広告費を相場の3倍お出ししたら入居付けをがんばってくれる不動産会社は増えると思いますか?」
「では家賃は相場くらいにして、ウォッシュレットと備え付き家具をつけると周辺のアパートより割安感が出ますか?」
「それとも広告費が大切ならリフォームは最低限にして、浮いたお金を広告費に回すとどうでしょう?」
一例をあげるとこんな感じです。
要は「満室にする為に真剣に考えた手」があればあるほど具体性が増し、担当者から情報を引き出せます。
これが全く調べないで、とりあえず聞いてみようというスタンスでいくと、こうはならないはずです。
成功者に「どうすればお金持ちになれますか?」と聞いても「行動だ」とか「感謝の気持ちだ」など漠然とした答えしか返ってこないと思いますが、それと同じです。
こちらの質問が抽象的なら適当な答えが返ってくるでしょう。
例えば、家賃4万円の部屋のヒアリングをするときも「満室になりますか?」とバカ正直に聞いても、不動産会社は責任を取りたくないので前向きな答えはしません。
これが例えば「では3.5万円なら反応は上がりますか?5千円の差はこの辺だと大きい気がしたのですが・・」とでも聞けば少しは具体的になっていて、「それならいけるかも」と言われるかも知れません。
何でもそうだと思いますが、こちらの質問レベルの高さが相手の回答や態度を決めるはずです。
ヒアリング調査で確認する4つの項目
私の場合、ヒアリングでは4つの項目を確認するだけです。
①反響が取れる家賃
②反響が取れる敷金と礼金
③適切な広告料
④入居が決まる最低限のリフォーム
これだけです。
まず「いまの家賃で募集した場合部屋は埋まりそうですか?」と聞いていきます。
「ではそれに敷金と礼金は無料にしたら?」
「そして更に広告費を今より一か月分増やしたら?」
「ここまでで内覧回数はかなり増えそうですね。では設備は最低限にしてクロスの張替えとクリーニングだけだとどうですか?」
こんな感じです。
もちろん、かなり簡略化しており実際はもっと聞きます。
ついでに過去に自然災害があったかなど周辺環境の特徴やリスクも聞いていきます。
ヒアリングの結果はけっこうアテにならない
誤解を招く見出しですが、もちろんがんばってヒアリングした結果は重要な情報です。
私もこれを基に判断します。
ただ、残念ながら、というか考えてみれば当然ですが、どこの馬の骨とも分からない第三者に「確実に当たっている親切な意見」を言ってくれる不動産会社の方が少ないでしょう。
やはり人間である以上、適当だったり間違ったことを言ってしまうものです。
私も経験しましたが、A社は「絶対満室にできる」と豪語している一方、B社は「絶対難しいエリアだ」という正反対のことを言われたこともあります。
慣れるまでハードルは高いですが、モノにすれば他の大家と多いに差をつけられるはずです。