築古物件の注意点
サラリーマン時代から不動産投資をやっていますが、私が運営している物件のほとんどは築30年以上の古い物件です。
エリアは東北がメイン、利回りの平均は18%と高利回りです。
しっかりと運営すれば、相当な利益を残せるのが高利回り物件最大のメリットですし、「最初は金額が安い物件を買いたい」という不動産投資初心者も多いはずです。
そうなると大体はパッとしないエリアにあり、難ありな物件を買わざるを得ないはず。
今日は築古物件を運営してみての注意点や感想をお伝えします。
築古物件の良いところ
①長期入居者が多い
私の所有物件では長期入居者(入居期間10〜30年以上)の割合が約8割になっています。
つまり、「一度入居すれば退居はほとんどない」のです。
建物の見た目がアレなものの、入居者さんはそういうものを気にする層ではありません。
「安く長く」入居したいという平和な入居者層が多いので、突発的な修繕以外は本当にやることがありません。
入居者さんと接していると、建物や部屋のスペックより「近くに病院がある」「家族が近くに住んでいる」など住環境やライフスタイルの充実を求める方が多いように感じます。
ここ7年間で長期入居者の退去者はゼロです。
②維持費が安い
以前、RCマンションの資料を取り寄せたところ税金の高さに驚いたのですが、地方の築古物件と比べ売買価格も税金も約10倍高く、シミュレーションしてみると手残りはさほど変わりませんでした。
固定資産税や建物の維持費だけで家賃の1ヶ月分くらいは軽く飛んでいきます。
(エレベーターや機械式駐車場があったら最悪です)
評価額によるのですが、物件価格が2,000万円前後の築古物件なら年間で数万円~20万くらいには収まることが大半です。
サラリーマン大家にとって「融資が出やすかった」のがRCマンションの唯一の良さですが、融資がでやすい=銀行評価が高い、つまり物件の評価額も高いので、税金も高くなります。
地方の物件は評価が低い物件が多いので、税金も安くなりがちです。
③価格が安い物件が多い
物件価格が安い=利回りが高い、ということですが、再三お伝えしている通り不動産投資は安く買うことができれば負けはありません。
「高利回りはすべてに勝る」という言葉もあるくらい利回りの高さは武器になり、だからこそ私も高利回り物件を好んで買うわけです。
私の物件の大半は、
- 地域最安値の賃料でも利益が出る
- 売買価格の約7割が土地値で占める為、建物分の投下資金回収が早くなる
という状態で、「持って儲かる、売っても儲かる」という状態になるスピードが圧倒的に速いです。
おまけにここ数年、融資が厳しくなってきているので2,000万円くらいの小ぶりなアパートは買いやすいはずです。
築古物件の注意点
①修繕が結構な頻度で発生する
購入後1年間くらいは3ヶ月〜半年に1度、数万円~数十万円の出費が発生していました。
バランス釜や給湯器など水回りが壊れたり、入居者からの軽微な要望も多いです。
(特にオーナーが変わった時は、それまで溜っていた要望を一気に言われる傾向があります)
- 購入前にホームインスペクターなど専門家に見てもらう
- 現地調査の際、現入居者さんに建物に不具合がないかヒアリングしておく
- 修繕が確実な場合は購入時に売主さんに値引きして頂く
などを行い購入後、運営できる資金を確保する必要があって、家賃に対する修繕費の割合も高くなります。
物件価格の5%くらいは初年度で修繕費に消えることを計算に入れた方が良いと思います。
②「賃料の安さ」以外で勝負しにくい
先日、外壁塗装を行いましたがそれ以外の古い箇所はどうしても目立ちます。
いくら修繕をしても建物が生まれ変わる訳ではなく、新築や築浅物件と同じ家賃を頂くのは厳しいです。
“ビフォアーアフター”の様に古い建物を見違える程リフォームするには多額の資金が必要ですし、そこまでしても家賃なんてそんなに上げられません。
築古物件の攻略法
不具合が発生したら必要最低限の修繕で済ませ、賃料の安さを維持していく方針です。
要はケチケチ経営です。
賃料の安さを追求して、入居者さんは幅広く受け入れています。で、長く住んで頂ければOKです。
これなら初心者でも「安く買う」ことに注力すれば誰でもできる投資法で、「良い投資とは単純で退屈なものである」という、ジョージソロスの言葉にも当てはまるはずです。