市街化調整区域の物件は買って良いのか
突然ですが「市街化調整区域」とは何かご存知でしょうか?
ポータルサイトや物件概要書を見ると「区域区分」が記載されていますよね。
区域区分は「市街化区域」と「市街化調整区域」の2種類に大別されるのですが、今日お伝えするのは「市街化調整区域」についてです。
簡単に言うと、
- 市街化区域
→いま既に栄えていて今後10年で発展させていきたいエリア - 市街化調整区域
→これから街の発展を抑制していくエリア
なので、市街化区域の物件は購入して全く問題ありません。
問題は市街化調整区域の物件の判断です。
先日、不動産投資初心者が買付を入れて、不動産会社とのやり取りが進んだ後に市街化調整区域だと分かり質問がきましたが、分からない人も多い印象です。
ということで、市街化調整区域の特徴についてまとめました。
市街化調整区域とは?
先ほど少しお伝えした通り、市街化調整区域とは「街の開発は今後ストップして市街化を抑えていこうね」というエリアです。
ビルはもちろん、アパマンも好き勝手に建てられなくて、「調整」というより「抑制」と言った方が相応しいエリアです。
調整という言葉はあくまで、そこに住んでいる人達に配慮したものだと思いますが、要は「これから栄えることはありませんよ」と自治体に宣言されてしまっている場所なのです。(涙)
東京だとほとんどが市街化区域で、見て分かる通りですが街はどんどん開発されていきますよね。
しかし、多摩の一部などは市街化調整区域になっていたりします。
なので、両者は正反対のものなわけです。
市街化調整区域の物件は買っても大丈夫?
まず、市街化調整区域は土地の価値が落ちます。
「これから先、抑制していきますよ」と宣言されているエリアなので、インフラ整備なんかもしてもらえる可能性がないわけです。
(住んでいる人には申し訳ありませんが、一言で言うと住みにくい場所ということです。)
なので、市街化調整区域の土地は売れにくいですし、住宅ローンも却下されることがよくあります。
立替えや再建築はできるの?
建物の建築は原則できません。
土地値が市街化区域と比べて1/10程度になることもあるのですが、理由は建物の建築には厳しい規制があるためです。
建築できる建物は図書館や公民館など、許可不要の建物と最低限のインフラ施設で、例外ケースもあるようですが原則不可能と考えた方が良さそうです。
建築だけではなく、増改築やリノベーションするときまで自治体に許可を得る必要があります。
売却するときは不利になる?
先ほど少し言った通りですが売却しにくいのは間違いないです(涙)
不動産会社によっては売却の相談をした段階で難色を示されたりしますが、土地値も安く、将来的に発展が望めないエリアなので流石に不利過ぎます。
しかし、実はエリアによっては市街化調整区域でも住宅の建築がOKだったりするので、どのような規制がかけられているか?によります。
それ以外にも、土地値も安く面積も広めなので、太陽光発電なので使えるかも知れません。
(実際、規制のある土地を仕入れて太陽光発電している投資家も知っています)
なので、不利になるのはなるのですが、完全に閉ざされている訳ではなくデメリットが反転、メリットになる場合もあるのです。
市街化調整区域のメリット
ここまで聞くと最悪かも知れませんが、一方でメリットもあるのです。
下手したら市街化区域と比べ、1/10程度の土地値で土地を買えるので、浮いたお金を建物に回せます。
中古物件でも安く売りにだされがちなので、現金買いできる物件も多いです。
それと、土地値が安いので固定資産税も安いです。
都市計画税に至っては自治体の都市計画に該当しないため支払い義務すらありません。
メリットはこの2つしかないと思います。
先程の太陽光発電投資なんかは市街化調整区域のメリットを享受できていると言えるでしょう。
結論、買わない方が無難
とは言ってもデメリットが多いので普通のサラリーマン大家は買わない方が無難だと思います。
私の所有物件も全て市街化区域内にありますし、世に売られている不動産の多くも同様です。
デメリットを打ち消せるだけの必殺技がないなら、大人しく市街化区域の物件を購入した方が良いですね。