ボロ物件を満室にした条件
昔から築30年越えのアパートを地方で購入していますが、放ったらかしでは部屋は埋まりません。
募集条件をいじったり、必要な修繕を行ったり、客付け会社への営業など面倒なことをおこなって初めて満室になるので、それなりの労力はかけてきました。
今日はその中でも一番効果があった「募集要件」についてまとめました
生活保護者を受け入れる
大家さんの中には生活保護者を避けたがる人もいるのですが、私は積極的に受け入れています。
エリアによっては自治体が直接家賃を大家に振り込んでくれますし、入居者が滞納しても自治体にクレームを言えば、家賃分を保管してくれたりします。
しかし、自治体によってルールが違っていて、
- 家賃上限が決まっている
- 敷金・礼金の上限が決まっている
- 管理費は保護対象にならない(入居者負担になる)
などの制約があるので、調べる必要はあります。
逆に言うと、生活保護者の方々はこれらの上限で部屋を探すので上限ギリギリの金額にして良いです。
例えば私のアパートがある仙台市では単身者用の部屋への家賃補助が35,000円です。
家賃はもちろん、敷金・礼金も上限で部屋を探すのでその地域の限度額(35,000円)にしてOKなのです。
生活保護者向け物件の家賃を下手に安くして、例えば29,000に設定するとポータルサイトで35,000円で探したときに検索に引っかからなくなります。
全ての費用は補助が受けられる最大で募集してOKです。
ペット可にする
ペット飼育可能な物件もまだまだ少ないので競争力になります。
単身の高齢者は寂しさのせいか、ペットを飼いたい人も多いので反響が一気に増えました。
しかし注意が必要なのは「既存入居者からのクレーム」です。
「ペット不可だから入居したのに勝手にペット可にするな!」というクレームがたまに起こります。
厄介な入居者がいないか事前に調べ、念のため次のような内容を取り決めておきます。
- トラブルが起きた際は管理会社に対応してもらうこと
- 仮に退居が発生しても文句を言わないこと
この2点を管理会社から合意を得たうえで「〇月〇日からペット可になります」と入居者へ告知文を出すわけです。
その上で契約時は次の内容にも合意を得たうえで入居してもらいます。
しっかり合意を得て周知しないと、先日起きたようなアパートで勝手に家畜を解体されかねません。(涙)
私の物件ではそれ以外にも、
- 飼育するペットを届出る
- 小型犬・猫のみOK
- 敷地内の散歩はダメ
などのルールに同意して頂いてます。
退居時の原状回復費用も「敷金から相殺」したり、ペットが傷つけた損傷を入居者負担で修繕してもらうなどの特約を設けています。
外国人可にする
生活保護者と同じく外国人も敬遠されがちです。
生活習慣の違いや滞納を警戒しているのだと思いますが、これまた私は積極的に受け入れています。
要は先程の家畜を解体したベトナム人のようなトラブルや一番厄介な問題である滞納を起こさなければOKです。
周囲の大家に聞くと、イメージほどトラブルは少なくて、直近3年間で聞いたトラブルはありません。
ただ、後ほどお話しますが保証会社の審査通過は必須です。
噂によると、確信犯的に家賃の滞納をする中国人がいたりなどして、自分1人でリスクを背負うのは割に合いません。
ついてに言うと、日本では借地借家法に守らて入居者が強い立場にありますが、海外では逆な国が多いのです。
滞納して5日間もすれば鍵を取り上げられ、動産も勝手に処分されます。
日本の法律の詳細が分からない外国人は実にマナーが良いケースが多いと想像します。
保証会社の審査通過は必須
生活保護者にしても外国人にしても、誰が入居するにしろ保証会社の審査は必須にしています。
「生活保護者は自治体から直接家賃が振り込まれるから別に要らないでしょ?」と言う人がいますが、問題は滞納そのものより「夜逃げ」です。
一般的に夜逃げしたあとの部屋は物が残り待っており、勝手に処分できないのです。
滞納された家賃よりも余裕で高くつくのですが、この辺は自治体は面倒を見てくれません。
しかも、生活保護は自治体の財政状況に左右されるので、打ち切りになってしまうこともあり得ます。
対人関係に難があって勤めても長く続かない人なんかは「働きたくないだけ」という判断をされて、真っ先に生活保護が打ち切られ、その瞬間から滞納が始まる可能性も多いにあるわけです。
サラリーマン大家はトラブルが起きた際は真っ先に管理会社さんが動くと思いますが、管理会社としても面倒な手間は極力避けたいので、保証会社の審査通過が入居の必須条件であったりします。
自腹を切って保証料を払ってでも加入した方が良いでしょう。
要は築古物件はとにかく間口を広く取って募集する必要があり、普通にやってしまうと中々難しいでしょう。