不動産投資で強化すべき3つの指標
ここ数年、不動産投資でもテクニックが重視されがちですが、今日のブログは根本的なお話です。
2~3年前まではオーバーローンでRCマンションをガンガン買い増していく「光速投資」をしているサラリーマンは多かったですが、スルガ銀行の不正で一気に無理になりました。
当時は、大家の集まりにいってもサラリーマン投資家が「いまは1物件1法人ですよ!」と声高々に言ってましたが、積算評価と属性が高い会社員には美味しい時代だったと思います。
しかし、いまは違います。
(正確に言うと、私が不動産投資をしていない10年くらい前に融資基準等が戻っただけだそうです。それまで融資がですぎていたんですね。)
金融庁が日本全国の金融機関に「不動産投資への融資はするな」とお達しを出したため、わずか3年前の投資法は使えなくなったわけです。
なので、いまは属性にモノを言わせて不動産投資をするのではなく、戦略的にやっていかないと規模拡大が難しい時代なんですね。
なかなか物件が買えない時期でも、コツコツ取り組むことで次の3つが改善され、いつの間にか金融機関からの評価も変わってきているのを私も経験してきました。
①現金
まずは現金です。
「キャッシュイズキング」の言葉の通り、現金は一番最強です。
仮に年収が低くても貯金が3億とかあれば金融機関は喜んでお金を貸してくれます。
金融機関が一番警戒するのは貸倒れです。(当然です)
現金を持っているだけで金融機関としては、「賃貸経営が失敗しても、この人お金持っているから融資してもいいかな」となりやすいのです。
買えない期間が続いても、会社員の方はお給料やボーナスを必死で貯めれば、それが金融機関の評価にダイレクトに繋がります。
ちなみに売主への交渉時も一番効くのが「現金ですぐに買うので少し安くしてくれません?」です。
もうこれは説明不要なレベルなので次のステージに行く為に、とにかく現金を貯める威力は一番です。
②共同担保(返済)
まずこの計算を見て下さい。
- ①利回り10%の5,000万円の物件をいま買う
- ②利回り14%の5,000万円の物件を3年後買う
細かい税金や経費は省き、両方とも返済比率50%で資産すると、
- ①→3年後の残債は4,250万円(家賃収入500万の50%を3年間返済)
- ②→毎年350万円を返済。(①との返済額の差は毎年150万円)
②は①に追いつくまでに5年かかる計算になります。
そして、①を買った不動産投資家は3年間で返済した実績を基に金融機関と交渉して、返済が進んだ分(750万円分)の枠に共同担保をつけたりできるのです。
750万円の頭金(実際は掛け目が入りますが)を入れて、3年後さらに物件を買い増せばどんどん規模拡大していけます。
身の丈に合わない優良物件を探して何年も経過している内に、早く不動産投資を始めた人は追いつけないところまで行っているわけですね。
③賃貸経営の実績
返済実績だけではありません。
早く購入した分だけ賃貸経営の経営者としての実績がもちろん長くなってきます。
私が最初に取引したノンバンクも2棟目、3棟目になるに従い「事業計画書」は重視されなくなっていた感があります。
3棟目あたりで担当者に「あ、事業計画書も要りますよね」と言うと、「中村さんはいつも買っているので提出不要ですよ」と言われました。
サラリーマンへの不動産融資は基本的に「似たような物件」に限られるのですが、最初の関門である担当者レベルで評価が変わると稟議を上げてもらいやすいのです。
3つを全て解決する策
以上3つはアパマンへの融資の市況感を問わず、いつの時代も絶対的な強さをもっています。
そして、この3つを同時に解決するためのベストな策はやはり「いまの自分で買える物件を早く買う」に尽きます。
「これから日本の賃貸市場はどうなるのだろう」
「コロナの影響で都民の郊外流出が続いているけど、東京の不動産は避けるべき?」
「オリンピック後の土地値はどうなるだろう」
「駅近、高利回り、満室の物件が出るまで待とう」
気持ちは分かりますが、未来を予想することは不可能です。
そのときに購入できる不動産の中からベストな選択をする人が早くゴールに辿りついているのは間違いありません。