築30年以上の木造アパートの収支と特徴
私自身、会社員時代から築30年を超えている築古物件を地方メインで買ってきています。
「そんなに古い物件って買っても大丈夫なの?」とたまに聞かれるので、会社員時代に買った記念すべき1棟目の収支をお伝えしながら運営した感想をお伝えします。
築古物件のメリット
不安が先行しがちな地方の築古物件ですが、メリットも多くあります。
光と影がある様に何事も二面性を持つのと同じで、それらを理解した上で取り組めば全く問題ないのです。
①長期入居者が多い
「入居付けしにくい」という問題はあるものの、一度入居してしまえば退居される事は今のところ、ほとんどありません。
入居者さんも高齢者や生活保護者が多く、一度住んでしまえば終の住処として長く住んでくれる事が大半です。
入居者さんと接していると多少交通の便は悪くても、閑静な住宅街で病院があったり、家族が近くに住んでいたり等の要素を重視されている様です。
一度入居付けしてしまえば、何年何十年に渡り退居しない為、やることが全くありません。
②高利回り物件になりがち
建物の価値がほぼゼロなので、自ずと物件価格も安くなりがちです。
私の所有物件の平均利回りは約20%で、地域最安の家賃設定をしても収支が余裕で回ります。
「ただ安いだけ」の物件を買ってはいけませんが、利回りの高さは全てに勝ります。
③維持費が安い
金融機関からの評価が伸びやすいRCマンションは維持費がバカ高いのに比べ、地方の木造築古物件は評価額が伸びにくい為、その分税金も安く済みます。
他に私が負担しているものは共用部の電気代くらいで月1,000円です。
築古物件のデメリット
利回りが高くて維持費が安い築古物件ですが、弱点もやはりあります。
①突発的な修繕が発生する
古い分突発的な修繕が発生する事が多いです。
雨漏りなどの水関係のトラブル経験上多いですが、こればかりはどうなるか読めません。
・補償内容が厚い保険に加入しておく
・購入前にホームインスペクターなど専門家に見てもらう
・修繕が確実な場合は購入時に売主さんに値引きしてもらう
・現入居者さんに建物に不具合がないかヒアリングしておく
などを行い購入後、運営できる資金を確保する必要があります。
②「賃料の安さ」以外で勝負しにくい
よく聞く「リノベーションして各住戸賃料5,000アップ!!」は経験上難しいです。
築古物件である以上、どうしても塗装や修繕ではカバーしきれない古臭さが残ります。
基礎や躯体から生まれ変わる訳ではなく、新築そっくりさんの様にはいかないのが現実です。
私自身も、築古物件は価値を上げて家賃アップを狙うのではなく地域最安の家賃で募集し、築古物件らしい温和な入居者さんに長期入居してもらう戦略を取っています。
記念すべき1棟目アパートの収支
宮城県仙台市で会社員時代に購入したアパートのスペックや状況ははこんな感じです。
- 築36年
- 軽量鉄骨造
- 6戸
- 三井住友トラストL&F借入れ
- 家賃収入:18万
- ▲ローン返済:7.5万
- ▲修繕費ローン返済:2.5万
- ▲管理費0.9万
- ▲共用部電気代:0.1円
だいたい毎月8万円の手残りになります。
ここから税金を払うので多少圧迫されますが物件価格の約5%が手残りになっています。3%出れば合格ラインと言われているので、まぁ良い方でしょう。
(固定資産税や維持費がバカ高いRCマンションだと、家賃の1ヶ月分くらいが固定費で消えてなくなったりします)
当時、会社員のお金を借りる力を使って毎月8万円の安定収入が入ってきた感動は未だに憶えています。
しかも、この仙台の土地は年々値上がりしており、購入当初から200万円以上土地の価値が上がっています。
なので、築古だからと言って敬遠するのは勿体なくて全然儲かります。
投資の目的は言うまでもなく「儲けること」なので「見栄えが良く所有欲が満たされるRCマンションだけど儲からない」では意味がありません。
お金に色はないので、ご自分の目的を最短で叶えてくれれば何に投資をしても良いと思います。